数あるツボの中で、特に有名なツボの中のひとつが「足三里」です。
足三里は本来胃腸系のツボで、胃痛、胃のもたれ、食欲不振、吐き気、下痢などに使われます。
守備範囲がとても広く、手にある「合谷」のツボと並んで万能のツボとして知られています。
適応の症状が多い事から、ご自宅でのお灸のセルフケアにはとても適しています。
足三里の場所はどこ?
足三里のツボの位置ですが、自分が鍼灸学校に行っていたころの教科書では
『膝をたて、外膝眼穴の下3寸』とあります。
わけが分からないと思います。
そもそも、「膝眼穴」とはどこなのかと思いますね。
膝眼は膝の下にできるくぼみのことで、膝痛によく使うツボです。
膝眼についてはこちらでも少し書いています。
教科書的な表現ではわかりずらいので、足三里の位置を簡単に説明すると、
「足のスネの外側の骨を親指でさすり上げていき、親指が止まったところ」
または
「膝のお皿の下から指4本ぶんのスネの外側」です。
写真の小指の下あたりです。
ツボの位置は個人差があるので、そのあたりを指で押してみて、痛いとか気持ちいいとか「何か感じる」場所が正解です。
足三里の効能
松尾芭蕉が「奥の細道」を旅をするのに、足三里にお灸をして乗り切ったといいます。
胃腸系のツボなので、夏バテや食欲不振に効果があったのだと思われます。
その他、胃腸系全般に「胃痛」「胸焼け」「吐き気」「下痢」「腹痛」「便秘」などに効果があります。
また、膝の痛み、足のマヒ、シビレなどの運動器系の症状、動悸、息切れ、じんましん、高血圧など、そして自律神経の調整にも効果があると言われています。
歯痛、歯肉炎、歯槽膿漏にもいいです。
(上の歯に限ります。下の歯は合谷穴を使います)
痛みや腫れのある側の足三里にお灸をするといいです。
そして、足三里の効果で特筆すべきは免疫力のアップです。
足三里のお灸で免疫力の向上
昨年、NHKの番組でもやっていましたが、アフリカで結核の予防や緩和に足三里へのお灸が広がっているそうです。
お灸で結核を完治させることは出来ませんが、お灸で免疫力を向上させて、症状を抑えたり、かかりにくくするために、足三里のお灸が普及しています。
足三里にお灸をすると、酸素を運ぶヘモグロビンの量が増え、またリンパ球の数も増えて、免疫力向上の効果が高くなります。
かぜの予防にも足三里へのお灸はとてもいいですよ。
足三里へのお灸のやり方
ご自宅で足三里へのお灸をする場合は、市販のせんねん灸で構いません。
ドライヤーなどで熱をあてたり、ツボ押しでもいいですが、免疫力アップにはお灸が最適です。
煙が気になる場合は、無煙タイプのものもあります。
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夏バテになりがちな今の季節、そして、かぜやインフルエンザが流行する冬に備えて、足三里のお灸のセルフケアで健康生活を送りましょう。