よく、「妊娠のツボはありますか?」「鍼灸は不妊に効果がありますか?」という質問をいただきます。
ここに鍼灸をしたら妊娠するという特効穴はありません。
当然ですね。他の症状でも同じです。
身体を整えて着床しやすい体質を作らなければなりません。
「冷え」「血流」「ホルモンバランス」「自律神経」このあたりが重要です。
それに効果的なツボはたくさんありますよ。
医療機関を受診、鍼灸治療、セルフケアの3段構えで
妊活をされている方は、鍼灸やセルフケアだけではなく病院を受診して、検査の結果や数値を知ることが大切です。
鍼灸院では血液検査やエコーなど出来ませんので。
そのうえで決められた日に病院へ通いつつ、鍼灸治療に行って身体を整えてください。
だいたい不妊治療で病院行かれる方は、1か月から2か月に1回らしいので、その間,
鍼灸治療に週1回くらい通い、いけない日は自宅でセルフケアをするという感じがいいでしょう。
三陰交は基本中の基本
特に女性の方によく使われる有名なツボ「三陰交」
三陰交は東洋医学の脾経、肝経。腎経の3つの流れが交わります。
血流の改善、冷えの解消、ホルモンバランスを整えるのに効果のあるツボです。

内くるぶしから指4本分上がったところの骨際です。
押してみると圧痛があるので判りやすいです。
ここに市販の温灸やせんねん灸をご自宅でされるといいです。
煙が気になる方は、無煙タイプのものも販売されています。
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治療に行けない日はここに、自宅でセルフケアするといいですよ。
腰、お腹の重要なツボ
三陰交は基本中の基本ですが、その他にも基本となるツボが腰、お腹にあります。
腰では、骨盤の動きをスムーズにする「腰陽関」、ホルモンバランスに関係する「次髎」というツボです。

腰陽関は骨盤の一番上の線を結んだ中央にあり、次髎は仙骨にある穴で上から2番目です。次髎は場所の特定が難しいですが、だいたい図のような場所を目安にすればいいです。
ここにパートナーにお灸をしてもらってください。
ひとりで行う時は、お灸は難しいので温熱器などがあれば便利です。

お腹では、胃腸の働きを高める「中脘」、骨盤内の血液循環を良くする「関元」「中極」というツボです。

中脘はおへその上指5本分のところ、関元はおへその下指4本分のところ、中極はおへその下指5本分のところにあります。
お腹は皮膚が弱いのでお灸をする時はやけどに気を付けてください。
腰より弱い温度のお灸を使ったほうがいいかもしれません。
お腹は温熱器のほうが便利です。

上記のツボを重点的に、お腹全体を温めて血流を良くすることが出来ます。
冷え・血流・ホルモンバランス・自律神経に適したツボへ
基本中の基本の三陰交、そして腰の腰陽関、お腹の中脘、中極、関元の他には、ご自分の体質に合った身体の調子を整えるツボを使うといいです。
例えば、冷えが強いなら三陰交の他に足の指先の気端とか、血流を良くするなら腰の腎兪など、ホルモン・自律神経などを整えるには足の裏の湧泉、手首近くの内関、外関や頭のてっぺん百会などもいいでしょう。
ここを刺激したら妊娠するという特効穴はありませんので、病院の先生や鍼灸の先生とよく相談して体質を見極め、必要なツボにセルフケアをしてください。